4次元コンテンツサイエンスアゴラ出展の記録

この記事は、数学カフェ_4次元コンテンツ出展の記録 Advent Calendar 2016 の、13日目となる記事です。
こんにちは。バーテンツチノコ(仮) の近藤です。
六本木のBARで夜な夜な、コードは書くけどカクテルは作れないバーテンダーをやっています。

私は今年、数学カフェのメンバーとして、11月5, 6日のサイエンスアゴラに出展をしてきました。
(※個人での参加であり、いかなる所属団体・DMMと関係ありません)
(※当記事は研究された事実を示すものではなく、実験中の試みになります)

こちらが展示の様子です。

何だか椅子に座ってヘッドマウントディスプレイを被っている人がいたり、
「4次元を見てみよう」というタイトルと、ポスターにたくさんの文字が書いてあったり。
ヘッドマウントディスプレイは、被ると立体が目の前に出現したりするのですが、それらだけ1人で見ても「???」ですよね。

コンテンツを展示するにあたっての口頭説明(接客)は必須です。

というわけで、本日は、「サイエンスアゴラ 出展当日の口頭説明」というテーマでブログを書きます。
実際にブースに遊びに来たようなつもりになってお付き合いいただければ幸いです。

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まず、「立体視」とは、どういう仕組みでしょうか。

私たちが目でものを見るときは、2次元の像しか見えないにも関わらず、目で見ているものがどんな立体なのかを知覚することが出来ます。

 

以下の像1枚だけを見ると、

赤で囲んだ面を手前と見た「立方体」か、黄色で囲んだ面を手前と見た「ちょっと歪んだ6面体」かの2通りに見えてしまいます。

これを「立方体」に見るためにはどうすれば良いでしょうか。

ものが立体に見える要因はいくつかありますが、影響が大きい要因を紹介します。


■左右の目の視差

試しに、何か物体を目の数十cm前に用意して、右目と左目を片目ずつパチパチつぶって見てみると、目の位置のズレから、同じものを見ているのに違う像が見えるはずです。

たとえばサイコロであったら、同じ場所にあってもそれぞれの目にはこんな風に違う像に見えたのではないでしょうか。

    

(※ちなみに、↑の画像で、「交差法」での立体視ができます)

私たちは、その2つの視点の差から情報を得て、頭の中で奥行きを認識します。

★ポイント: 左目と右目でそれぞれで別の角度から立体の像を見ると、脳内ではひとつの立体に見えます
では、同じように2つの目でものを見るときに。
現実に両目で見た時のように3次元上の距離の視差を作るだけではなく、4次元の方向(!)にも少しだけ視差を作ってものを見たとしたらどうなるでしょうか。

4次元な立体視(!?)が出来るのでは?

そんな仮説も入れ、今回の展示物は作成されました。

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では、4次元の方向に傾けるというのはどういうことでしょう。

 

まずこちらの折り紙。

壁(2次元)に画鋲ではりつけてくるくると回すと。
角度が変わっていくけど、形は変わらず正方形ですね。

では同じ折り紙を、1次元上げて3次元空間上でくるくる回すとどうなるでしょうか。

正方形だった折紙が、ゆがんで台形になっていきます

(※↑の画像でも、「交差法」での立体視ができます)

 

次に1次元あげてこちらのサイコロ。

3次元上でくるくると回すと。
角度は変わっていくけど、形は変わらず立方体ですね。

では同じサイコロを、1次元あげて4次元空間上でくるくる回すとどうなるでしょうか。

折り紙のときと同じように、
立方体だったサイコロが、ゆがんで四角錐台になっていきます

(※↑の画像のように立体物が並んでいれば、「交差法」での四次元立体視が・・・出来るかも!?)

 

今回の展示物であるOculus Riftは、装着すると3次元の物体と4次元の物体が表示され、そのとき視点があたっている物体をゲームコントローラで操作してぐりぐり回転させることが出来るというものでした。

「回転」とは。先ほどサイコロをくるくる回したような3次元空間上での回転ボタンとは別に、今回は四次元の方向へ回転させるためのボタンと、左目と右目それぞれに見える物体を変化させ、四次元の立体感を出していくためのレバーを準備しました。

レバーは、NINTENDO 3DSの右についている、立体感を調節するためのレバーをご想像いただくと、わかりやすいかと思います。両目の距離を、4次元の方向に離していきます。

レバーを調節することで、従来の立体視とは違い、左目と右目にそれぞれ、「同じ形なんだけど4次元の方向にずれていく物体」が見えます。

4次元の方向にずれる時のサイコロが立方体から四角錐台になるような動きは、3次元仕様の脳をもつ私たちには直感的ではない動きですし、明らかに別の物体である「立方体」と「四角錐台」を両目ばらばらに見ることも大分気持ち悪い感じです。

ですが、その四次元方向にずれた「左目に見える物体」と「右目に見える物体」を無理やり同じ物体と思いこんで見てみることで、四次元のずれはこういうことなんだな、と認識することが出来れば・・・そんな期待を持って開発しました。

実物は、現在どこかに展示しているわけではないので見ることは出来ませんが、また発表の機会がありましたら、是非体験しに来てください。

以上、視覚から4次元を体感してみよう!といった展示での口頭説明でした。
たまたま持っていた小道具(折り紙やルービックキューブ)を使って、なるべく理解しやすく説明するよう努めました。

最後に個人の感想を書きますと、両眼の視差で四次元立体視が本当に出来るのかどうかは、いまだに半信半疑ではありますが、
VRを用いて4次元物体や3次元物体を4次元空間上で眺め続けること、自分で自由に操作することで、高次元への理解がより深まったと感じております。

素敵な企画に関わることが出来てよかったです!

ご協力いただいた方、ご来場くださった方、どうもありがとうございました!!!