つながらない無線LAN!? (1/3) 導入編

あらまし

x月x日、某社オフィスで
「社内無線LANが使い物にならず非常に困っている」
という相談を受けました。

特に繋がらない場所は会議室であり、iPadでFaceTimeを使ったテレビ会議をしようとすると、映像がブラックアウトしたり音声がブチブチ切れるという悲惨な状況だというのです。さらに会議室以外でも通常なら数分終了する構成管理ツールが、なんと70分も掛かるなどの事例が報告され、社員は無線LANに対して大きな不満を抱えているとのこと。つまり……

今すぐ解決してほしい!

ということです。今すぐに解決できるわかりませんが、まず調査してみて、対処できることからトライしてみようと思います。

無線LANが不安定になる原因

  1. 電波が弱い
  2. 混雑している

オフィス無線LANが不安定になる原因の多くは混雑です。同時に多数の端末が通信できているように見えますが、有限のチャネルを時間で分割して利用しています。

ひとつのチャネルを5台の端末で共有
ひとつのチャネルを5台の端末で共有

無線LANの特徴として、端末ごとに通信状況が異なることがあげられます。これは、伝送媒体の品質が保障できる有線と違い、電波の状況が悪くなっても接続を維持できるように、端末ごとにデータレート(bps)をつねに変化させています。電波状況は刻一刻と変化していますので、それに追随してデータレートも常に自動調整されています。

OS X では Option + 無線LANアイコンクリックで 現在のデータレートなどを確認できます。電波の状況があまり良好でないときは、クリックするたびに数字が変化しているのを見ることができるでしょう。

そのうち一台(オレンジ色)の端末が遠くに行ってしまい、電波状況が悪化したため、データレートが 2Mbps まで低下したとします。すべての端末に 100KB を転送すると

全てが54Mbps転送だった場合(上)と、うち一台のみが2Mbpsだった場合(下)にかかる時間の比較(概念)
全てが54Mbps転送だった場合(上)と、うち一台のみが2Mbpsだった場合(下)にかかる時間の比較(概念)

なんということでしょう! 遅いデータレートの端末が一台いるだけでかなりの時間を消費し、チャネルを共有している全端末のパフォーマンスが大幅に劣化してしまいました。

この遅いデータレートの存在があると、無線LANに収容できる端末数は大幅に低下します。無線LANでは制御も同一チャネルの半二重で行うため、チャネルの空き時間が少なくなると制御も困難になり、全体が一気に不安定になってしまいます。

この場合、ボトルネックになっているのは伝送媒体である空間そのものですので、同じチャネル×空間にアクセスポイントを増設しても改善されません。

高密度無線LAN環境において遅いデータレートは悪!

オフィスなどの高密度無線LAN環境では、遅いデータレートの端末が発生しないよう考慮します。遅いデータレートでの接続を禁止する設定ができるアクセスポイント製品もあります。

データレート制限機能の例
データレート制限機能の例

データレートが速いほど、より高品質な電波状況が要求されます。遅いデータレートでの接続を禁止してしまうと、電波状況が少しでも悪化すると切れてしまうことになります。端末が移動したり、何らかの原因で電波状況が悪くなったとしたら、より近くのアクセスポイントへローミングを早めに行わせます。

※ローミング 複数のアクセスポイントが同じSSIDで設置されている場合、端末は最も良い電波状況のアクセスポイントを自動的に選んで接続し、電波状況が変化すれば別のアクセスポイントへ接続先を変更する。

続く:: つながらない無線LAN!?(2/3) 調査編


初めまして、申し遅れましたが新人ツチノコのkumaです。よろしくおねがいいたします。


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