ドキュメンタリー「ICTサマーウォーズ 2015」 (前編)


こんにちわ。ツチノコブログ2回目のibuchoです。

このブログのエントリーでも幾つか書かれているのでご存知かもしれませんが、先日の8月29日、30日に開催されたDMM.com Labo ツチノコ杯 第4回ICTトラブルシューティングコンテスト(略してトラコン4)の模様をドキュメンタリータッチでご紹介します。(若干の潤色はありますが、ほぼ事実に基づいております。)

2015年8月29日(土曜日)

08:00 : 朝8時、トラコン4本選会場である工学院大学5Fに設置されたNOCルームに運営学生全員が集合した。2週間前から毎晩夜遅くまでコンテストの準備に追われていた運営の学生達だが、昨夜だけは18:00に作業を終え、今日に向けて十分な休息を取り万全の体調で参加選手を迎える事にしていた。始めに運営リーダの森から本日の予定、担当、シフトの確認、残作業、問題の準備等が伝えられ、各自それぞれの役割に従って会場やサーバ、プログラム、採点表の確認など、おのおのあらかじめ割り当てられている作業へと散っていった。

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09:00 : 会場である5Fフロアはさながら嵐の前の静けさであり、案内看板、受付の準備も完了し、あとは出場選手を迎え入れるだけである。

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運営学生はリラックスしている風を装っているが、心なしか表情に緊張の色が見え隠れしている。

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09:30 : 受付開始と同時に参加者がぞくぞくと入場してくる。各参加者は受付で学校名、チーム名を申告し、運営学生に案内されコンテスト会場へと進む。そして各チーム毎のテーブル上におかれたゼッケンを手に取りコンテストに望む準備をする。チームの仲間と会話し作戦を確認する者、テーブル上に設置されている機器をチェックする者、ブラウザを開き何かを調べ始めるもの、ネットワーク技術の教科書を開き復習をする者など、さまざまである。そしてコンテスト開始10分前には全チームが集合し、ザワザワしながらコンテストの開始を待っていた。

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10:00 : 会場正面の演題に運営チームリーダーの森が立ち、コンテストの開始を高らかに宣言した。

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コンテストのルール、注意事項などが告知され、続いていよいよ初日午前の問題が出題される。出題は各チームにあらかじめ提供されているredmine上にチケットという形で出題されるため、会場内で問題がアナウンスされるということは無い。各チームは一斉に端末でredmineを開き、チケットとして発行された問題を確認しはじめる。初日午前の問題は以下の3問であった。

Q1. Webサーバを構築してくださいな。

Q2. スイッチ間を冗長化してほしい。

Q3. VPNの構築の件について。

問題文の内容は漠然としている。たとえばQ1の問題文は以下のようになっている。

新入社員「それなんですか?」
上司「これは俺が昔遊んでたサーバさ。CentOSが大好きでね。ちょうどいい、勉強用に使いなさい。まずはWebサーバを構築してみようか」
新入社員「やったーーー!がんばります!」

報告事項 :実際に行ったWebサーバの構築手順

これのどこがトラブルシューティングなのか?と誰もが思うだろう。過去にトラコンに参加したチームにとっては見慣れた問題形式だが、初出場のチームにとっては問題の意図が全くわからず、何を要求されているのか、何と答えると正解なのか混乱したはずだ。通常学校で出されるテスト、資格試験などの問題には必ず回答があり、問題文からどのような知識、解法手順を要求しているかが予測できる場合が多い。学生は問題を読み、授業や講義で学んだ知識を元に問題が要求している回答を探すといった対応をする。つまりクイズやパズルを解く事と同等なのだ。

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しかし、実際の現場において、回答のある問題などあるはずがない。トラコンで出題される問題は正に現実に起こっているトラブルや上司や顧客から依頼、指示された作業を実施する様をモデルとしている。この問題形式は運営の学生が独自に発案し作成したものであるが、参加選手にとっては答の無い問題という実際の現場で直面する状況を経験する非常に良い機会であろう。

11:59 : 午前の問題の回答制限時間が近づく。その時、コンテストの成り行きをNOCで見守りながら各チームの回答の採点を行っている学生達がざわついた。15チーム中、1チームだけ3問全部満点の回答を叩き出したチームがいる。

日本工学院八王子専門校チーム「WCDI」である。

WCDI-1 WCDI-2

通常初日午前というのはコンテストの勝手がわからず、問題に取り組むというよりは機器や回答方法などの環境を把握するだけで精一杯であり中々正解を出す事は難しい。実際、他のチームはノーポイントか、せいぜい正解が1問だけだったが、チームWCDIは全問完璧な回答を出して初日午前をダントツトップで駆け抜け、このままポール・トゥ・ウイン、先行逃げ切りをぶちかます勢い。ロレンソか。

13:00 : 昼休みが終了し、各チームが再び所定のテーブルに着座した所で初日午後の問題が出題された。

Q4. ときどきサーバにつながりません!

Q5. 残りのスイッチの設定は任せた!

Q6. Redmineの意図しない挙動の調査について

Q7. 新しい営業所

これまた問題タイトルからは内容が全くわからないが、サーバの脆弱性が攻撃されていたり、あらかじめコンフィグレーションされている設定が間違っていたりといったトラップが仕込まれており、参加選手はサーバ、機器類のログや設定を調査しながら原因を突き止め、トラップを修正もしくは回避しつつ依頼された内容を解決していかなければならない。

午前問題をトップでクリアしたチームWCDIはまたもや4問中2問で満点を叩きだした。しかし、ここで急速にWCDIに迫るチームが出現する。

関西大学大学院チーム「コバゼミ」だ。

コバゼミ1 コバゼミ2

チームコバゼミは前回(トラコン3)から参戦して初出場で優勝を勝ち取った、いわばディフェンディングチャンピオンチームである。前回は学部4年生の関西大学としての出場だったが、チームメンバ中の数名が大学院へ進学し、今大会ではゼミの新たなメンバーを加え大学院チームとして参戦した。チームコバゼミはチームWCDIと同じく4問中2問で満点を叩き出した。しかもWCDIがノーポイントだった問題でも得点を獲得し、いきなりWCDIに肉薄してきたのだ。

17:00 : 初日午後のコンテストが終了。結果的にトップはチームWCDIが死守し、ついでチームコバゼミが5ポイント差で2位に着けていた。問題の得点は5ポイントと10ポイントの2種類が用意されているため、1問の差で同点になるか、もしくは順位が逆転する可能性もある。初日の結果により2日目には俄然これら上位2チームによるデットヒートが展開されるだろうと、運営の誰もが予測しつつ、初日夜に予定されている懇親会へとなだれ込んだ。(出張握り寿司付き)

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しかし、初日を終了した時点でトップ2チームのWCDIとコバゼミの背後から静かに忍び寄るチームがあった事を関係者、そして運営さえ誰も気づいていなかったのである。

(後編へ続く)

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